Bluetoothに対応していないテレビやゲーム機はワイヤレスイヤホン・ヘッドホンが使えなくて不便でした。
ワイヤレス機器に慣れてしまった今では有線ケーブルが体にまとわりついてちょっと不快。
そこでおすすめなのが「aptX Low Latency」というコーデックに対応したトランスミッターです。
このトランスミッターを使えば、テレビやゲーム機でもワイヤレス機器を使うことができ、なおかつ遅延ほぼ無しという夢のような装置です。
この記事では、
- aptX llで低遅延ワイヤレス環境を構築する方法。
- aptX llに対応したトランスミッターのおすすめ2機種。
これらについて解説したいと思います。
テレビやゲームに没頭したい人は是非とも導入を検討してみて下さい。
aptX Low Latencyについて少し詳しく
そもそもコーデックとは?について簡単におさらいします。
コーデック(CODEC)とは「COmpression・DECompression」の略です。
直訳すると「圧縮・伸張」となります。
Bluetoothで音楽データを飛ばすためにコーデックが「音データを圧縮・伸張」しているわけです。
そしてBluetoothで使われる主要なコーデックの種類がこちら。
順位 | 遅延の小さい順 | 音質の良い順 |
1 | aptX ll | LDAC(ハイレゾ) |
2 | aptX adaptive | aptX adaptive(ハイレゾ) |
3 | aptX | aptX HD(ハイレゾ) |
4 | AAC | aptX |
5 | aptX HD | aptX ll |
6 | SBC | AAC |
7 | LDAC | SBC |
aptX llは遅延が最小で音質はそこそこというポジションになります。
理論的には、音データの圧縮率が高ければ遅延は小さくなりますが、音質が悪くなるのは仕方のないことです。
コーデックの中でも普及率の高い「SBC」は遅延も大きく音質も悪いので、快適さにこだわるなら避けたいところです。
トランスミッターを使用した環境の構築例
では実際にaptX llに対応したトランスミッターをどう使うのか?についてです。
こちらの図が分かりやすいと思います。
大抵の人は左側の使い方をしたくてトランスミッターに辿り着くと思います。
テレビ、PS5、PS4、ニンテンドースイッチ、パソコンなどの音声をトランスミッターで飛ばして、イヤホン・ヘッドホンで受信する使い方です。
aptX llなら遅延が最も小さいので、タイミングの判定がシビアなゲームも楽しめます。
ただし、この環境を構築するためにはaptX llに対応したトランスミッターだけでなく、aptX llに対応したイヤホン・ヘッドホンも必要なのでご注意ください。
aptX llに対応していないイヤホン・ヘッドホンでも接続はできますが、別のコーデックが使用されてしまうので、遅延が発生します。
aptX Low Latencyに対応したトランスミッター
Amazonや楽天市場を見てみると色々なトランスミッターが販売されていますが、aptX llに対応、なおかつ怪しくないメーカーの製品となると、かなり種類が絞られます。
というかたった2択に絞られました。笑
購入する立場としてはある意味、悩まなくて済むからありがたいかもです。
タオトロニクス TT-BA09 Pro
ひとつ目は「TaoTronics」という2008年に設立された、アメリカのオーディオ・家電ブランドのトランスミッターです。
旧型の「TT-BA09」と新型の「TT-BA09 Pro」があるので注意。
新型は、現在接続しているコーデックの種類がインジケータで一目瞭然となり、充電ポートもUSB-Cとなりました。
スペック表
入力ポート | 光デジタル 3.5mmイヤホンジャック RCA(赤白黄のやつ) |
Bluetooth規格 | 5.0 |
対応コーデック(送信時) | aptX ll、aptX、SBC |
対応コーデック(受信時) | SBC |
給電 | 充電ポートはUSB-C バッテリーは2時間の充電で24時間稼働 |
接続中のコーデック表示 | ◯ |
2台同時接続 | ◯ |
充電しながら使用する場合はUSB充電器での充電がおすすめです。
テレビやモニターからの電源供給はノイズの原因となりやすいです。
各種ケーブルも全て付属しているし、タオトロニクス製品は購入から12ヶ月間の国内保証付きで安心。
ゼンハイザー BT T100
オーディオ好きには言わずと知れた「Sennheiser」のトランスミッターです。
バッテリータイプではなく、常時電源を供給するタイプなので、電力が安定していて小さい音もちゃんと拾って聴こえます。
ゼンハイザーだしAmazonのレビュー評価も高いので非常におすすめですが、先ほどのタオトロニクスのトランスミッターの2倍の金額ですw
スペック表
入力ポート | 光デジタル 3.5mmイヤホンジャック |
Bluetooth規格 | 4.2 |
対応コーデック(送信時) | aptX ll、aptX、SBC |
対応コーデック(受信時) | 受信は非対応 |
給電 | 充電ポートはUSB-A(一般的なやつ) バッテリーは非対応 |
接続中のコーデック表示 | × |
2台同時接続 | ◯ |
注意点として、同時に2台のBluetoothイヤホン・ヘッドホンにワイヤレス接続が可能ですが、同時接続の場合はapt X llは非対応だそうです。
Bluetooth規格は4.2と少し古いですが接続には全く問題ないようです。
まとめ
私の場合は、パソコンとゲーム機で同じモニターを共有しているので、モニターのイヤホンジャックにトランスミッターを接続して遅延なくワイヤレスヘッドホンを使用しています。
遅延したくない動画鑑賞やゲームではaptX llによるワイヤレス接続が最も快適です。
音の遅延が嫌で有線ケーブルのイヤホン・ヘッドホンを使っている人に是非ともおすすめします。