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【ルービックキューブ世界記録】なぜ「4.22秒」で揃えられるのか

2018年9月18日

【ルービックキューブ世界記録】なぜ「4.22秒」で揃えられるのか
悩む初心者
ルービックキューブがなぜ数秒で揃うんだろう?
世界記録を出すトップランカーは頭の中で何を考えているんだろう?

このような疑問にお答えします。

この記事では、

  • 世界記録保持者と使用ルービックキューブの紹介。
  • 世界記録発生時の手順と考え方の解説。

これらについて解説します。

どうして6面がバラバラな状態のルービックキューブが5秒弱で全て揃えられるのか・・・?

その神業とも言える完成までの秘密を解説します。

2021年現在のルービックキューブの単発世界記録は、2018年11月の中国大会で「Yusheng Du (杜宇生)」選手が叩き出した「3.47秒」となります。

この記事で紹介するのは、それより一つ前の「Feliks Zemdegs(フェリックス ゼムデグス)」選手の「4.22秒」の記録になります。

ルービックキューブ世界記録誕生の瞬間

まずは、世界記録誕生の瞬間を動画で見て下さい。

指さばきが早すぎてよく分かりませんが、あっと言う間の出来事ですよね。

世界記録を出さんとする周囲のライバル達も一緒に祝福するこのムードが良いですよね。

ルービックキューブという競技は切磋琢磨していて素晴らしいです。

世界記録保持者はこんな人

ルービックキューブ(3×3)の単発世界記録「4.22秒」の記録保持者はこんな人です。

  • 名前:Feliks Zemdegs(フェリックス ゼムデグス)
  • 国籍:オーストラリア
  • 年齢:1995年12月20日生まれの26歳

YouTubeに自ら動画をアップしており、すごく好青年な印象です。

初めてルービックキューブを買ったのが2008年で、その2カ月後には平均タイム19.73秒を出していたそうです。

恐ろしや・・・。

ちなみに私がルービックキューブを始めてから2カ月の時は40秒が安定してきたところでした。笑

使用されたルービックキューブ

フェリックス氏が「4.22秒」を出した時に使用していたルービックキューブがこちらです。

GANCUBEガンキューブ」の「GAN356 Air SMガンサンゴーロクエアーエスエム」です。

大きな特徴としては、

  • 回転の強弱をバネで調整できるので「指一本で回せる」
  • キューブの角が多少ズレていても強引に回せる「コーナーカット処理」
  • 回転がピッタリ止まるようにアシストしてくれる「磁石内蔵」

これらの機能を有する当時の最先端ルービックキューブでした。

今となっては少し旧型となります。

当時は私もすぐにこのキューブをAmazonで購入して長い間メインキューブとして使用していました。

このルービックキューブの最新モデルが「GAN 11 M Proガンイレブンエムプロ」であり、2021年の現時点で最高性能を誇っているルービックキューブです。

最新ルービックキューブの比較はこちらの記事にまとめてるので参考に。

【ルービックキューブのおすすめ】初心者向けから最新の競技用まで詳しく解説
【ルービックキューブのおすすめ】初心者向けから最新の競技用まで選び方と合わせて解説

多少値段は張りますが、世界記録保持者と同じルービックキューブがネットで買える時代です。

解き方は「CFOP法」を使用

ルービックキューブは毎回やみくもに揃えているわけではありません。

効率よく揃えるための「解法」がいくつか存在していて、その解き方に則って揃えています。

その中でも最速と言われている解法が「CFOP法」という解法です。

実際に世界記録を出した時、フェリックスも使用していました。

4.22秒の秘密を知るためには「CFOP法」を簡単に理解する必要があります。

工程 暗記パターン
Cross(クロス)を揃える
cfop-cross
暗記不要
F2L:下の2段を揃える
cfop-F2L
41パターン
OLL:上段の向きを揃える
cfop-OLL
57パターン
PLL:上段の位置を揃える
cfop-PLL
21パターン
合計 119パターン

このような4つの工程で揃えています。

れぞれの工程の頭文字をとって「CFOP法」と呼ばれています。

揃えていく際は、手元のルービックキューブの形を把握して、CFOP法で定められている回転パターンを回す事でキューブが揃っていきます。

CFOP法でキューブを揃えるためには、全119パターンの暗記が必要になります。

しかも、ただ暗記すれば良いわけではありません。

パターンを暗記する時は、揃えたい場所を自分の正面に持ってきて回し方を暗記しますが、実際に揃える時に何度もキューブを持ち替えていてはタイムロスになります。

なので、キューブの向きがどっちを向いていても揃えたい所を揃えられるように「裏F2L」といったテクニックも必要になり、実際に使用されるパターン数はもっと多くなります。

世界記録時の実際の解き順

まず、ルービックキューブの記録会の流れはこんな感じです。

ルービックキューブの記録会の流れ
  • ①運営側がスクランブル(ルービックキューブを崩すこと)をする。
  • ②競技者は15秒間のインスペクションタイム中にキューブを確認する。
  • ③両手をタイマーに置く。
  • ④ルービックキューブを揃える。
  • ⑤両手をタイマーに置く。

4.22秒というのは③~⑤の間のタイムを指しています。

スクランブル

「L U2 D R' F2 R2 L2 U R' F' D2 F2 D2 B U L2 B2」

これはルービックキューブが揃っている状態からどのように崩したかを表しています。

回転記号だと分かりづらいので画像だとこんな感じです。

Scrambleフェリックス氏はこの状態からキューブを揃えていきます。

インスペクションタイム

キューブを揃え始める前にスクランブルされたキューブを最大15秒間、確認する事ができます。

冒頭の動画ではインスペクションタイムから始まっています。

この時点でフェリックスは頭の中で「先読み」をしています。

①Cross

「F' R' D' R y R U' R' u'」

一番下の段の4つのブロックを揃えます。

Crossここでちょっとした技が使われています。

4手回した時に、下段の四隅の一つが正しい位置にいたので、Cross中にF2Lを一つ揃えてしまっている(X-Crossというテクニック)

②F2L

下段と中段の四隅を揃える工程です。

1stペア:Cross中に完了済み
2ndペア:「U' R U R'」
3rdペア:「y' L' U2 L U' L' U L」
4thペア:「U y' U R' U' R U R' U' R」

何度か持ち替えをしていますが目にも止まらぬ早業です。

F2Lここでは特に変わったポイントはありません。

③OLL

上段に黄色を揃える工程です。

U' R U2 R2' F R F' R U2 R'

OLLここでも特に変わったポイントはないんですが・・・。

OLL完了の時点で、PLL工程を飛ばして全面が揃ってしまいました。

これは「PLLスキップ」という事象です。

④PLL

なし(※OLLの時点でルービックキューブ完成のため)

秘技:PLLスキップ

通常時の発生確率

CFOP法は6面完成まで全部で4工程ありますが、出現するパターンによっては工程がスキップされる時があります。

例えば今回のような3つ目の工程であるOLLを回し終えた時点で、6面全てが完成しているパターンです。

単純にPLLがスキップされる確率はこんな感じです。

全21種のPLL名称 パターン数 発生確率
Ga、Gb、Gc、Gd 16/72 約22.2%
Ua、Ub 8/72 約11.1%
Aa、Ab 8/72 約11.1%
Ra、Rb 8/72 約11.1%
Ja、Jb 8/72 約11.1%
V 4/72 約5.6%
F 4/72 約5.6%
Y 4/72 約5.6%
T 4/72 約5.6%
Z 2/72 約2.8%
E 2/72 約2.8%
Na、Nb 2/72 約2.8%
H 1/72 約1.4%
Skip 1/72 約1.4%

ルービックキューブを72回揃えれば、そのうち1回は「PLLスキップ」が発生する計算になります。

揃える工程が1つ無くなるので好タイムが出やすくなります。

意図的に出すトップキュービスト

ですが、フェリックス氏の動画を見ていて納得のいかない点がありました。

それは「OLL完了からタイマーを止めるまでが早すぎること」です。

OLLを回し終えた時にルービックキューブが全面揃っているのは、ある意味「不測の事態」です。

なのに、初めからOLLの後にPLLスキップが発生するのが分かっていたかのような速度でタイマーを止めています。

 

そこが気になって色々と調べてみたら・・・。

なんと「OLLCP」というさらに難易度の高い手順が存在するそうです。

「OLLCP」とは、OLL前のキューブの位置と向きから一撃で6面を揃える手順のことです。

ただし、OLL57パターンとPLL21パターンの組み合わせになるので、暗記量が尋常じゃないくらい増えます。

フェリックス氏が全てを暗記しているのか定かではありませんが、この時はPLLスキップを確信して揃えていたと思います。

つまり、フェリックス氏は「OLLCP」という技術でPLLスキップを「意図的に発生させて」世界記録を叩き出しました。

ルービックキューブ世界記録のまとめ

この記事では、3x3のルービックキューブの単発世界記録「4.22秒」について解説しました。

もちろん、ルービックキューブは高性能な最新モデルを使用していますが、本質はそこではありません。

記録保持者フェリックス氏が最速でルービックキューブを揃えるために持っている秘密の能力がこちら。

  • CFOP法の119パターンを覚える暗記力
  • 頭の中で先読みする想像力
  • 高速で回転させるための指の器用さ
  • 一瞬でキューブの位置と向きを把握する観察眼
  • PLLスキップを意図的に引き起こす手順の超暗記力

世界記録を出したフェリックス氏の動画は、一見すると簡単に揃えたように見えます。

しかし、実際は指だけでなく頭の中も高速回転させていたわけです。

 

今回は世界記録というトップキュービストの話をしましたが、ルービックキューブは練習すれば誰にでも揃えられます。

興味がある人はこちらの記事を参考に解き方を覚えてみて下さい。

【ルービックキューブの揃え方】初心者が簡単にマスターする最短手順を解説
【ルービックキューブの揃え方】初心者が簡単に最速で攻略する手順や解き方のコツを解説

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